百合子か、俺か
3日後は東京都知事選である。
僕は既に期日前投票を終えており、またこのブログで政治思想を述べる気はない。
…ないのだが、このキャッチフレーズには驚いた。
スーパークレイジー君こと西本誠氏である。写真や経歴、選挙活動の様子はここで言うまでもないであろう。ご参考まで、須田慎一郎氏によるインタビュー動画を張り付けておく。
【都知事選シリーズ】スーパークレイジー君 西本誠 !若者が選挙に行けば政治は変わる!「百合子か、俺か。俺だろ!!」
ここで注目したいのは、そのキャッチフレーズである。「百合子か、俺か」。これは地味にすごい。仮に、僕が都知事選に出馬したとして、このフレーズは絶対に思いつかなかっただろう。
今回の都知事選は過去最多の22人が出馬している。7月2日現在、現職の小池百合子氏が優位と報道されており、それ以外の候補の中でも、各社重点的に報道される4名はそれ以外の候補に比べ取扱いの紙幅も異なっている。残念ながら西本氏も「それ以外の候補」にされていると言わざるを得ない。
そんな中で、「百合子か、俺か。俺だろ!」である。ロジカルにこのフレーズを分析すると、
・現職の小池百合子氏が1つ目の選択肢であることは認めるし、有権者にとって選択時のベースとなっていることは大前提である。
・それに対抗し、比較対象とすべき候補者は自分自身である。
・そのうえで、現職と比較した結果、魅力的なのは有権者であるあなたから見て自分自身だろ?と確認させている。そこに、特にロジカルな論拠や裏付けはない(そんなものは不要だ!)。
・現職と自分以外のほかの候補者(20人)は、俎上にすら上がらない。
…である。
自己肯定感が相当高くないと、このフレーズは言えないし、そもそも思いつけない。
普通だったら、①批判されないように、マイナスのない印象を持たせるように訴えかけを行い、②埋没しないように、現職を含めた他の候補者と差別化できる政策や経歴を掲げる、という動きをするだろう。
しかし、彼は違う。自分自身をいかに正直にさらけ出すかを考えて活動を行っている(ある意味、N国から出馬している某候補者も同じかもしれない)。インタビューからは、然し、結婚時に(←奥さんいたのかよ!)彼女の両親には自分の過去を打ち明けられず、隠していたらしい。立候補時にはインターネット上の情報からバレざるを得ず、そこは腹を括って出馬しているようだ。
選挙は政治・行政に影響するため、その話はここまでにしたい。このようなアピールをする人が必ずしも政治家として優れているとも考えていないためだ(西本氏がダメだというわけではない)。
今日感じたのは、会社を設立してビジネスを行っていく際に、自分自身をどのように見せていくのかを考えることになるが、ベースの考え方が違えば、何をどのようにアピールするかも異なっていくということだ。自動車会社を設立する人が「トヨタか、俺か」と言える感性は素直に尊敬するし、それを見た人が引き込まれる可能性も高い。
自分への認識を変えることが、見せ方の指向を変え、ビジネスの成否を変えていくかもしれないな、とYoutubeを見ながらふと思った。
・会社を辞めるまで、あと363日
※今日の小さな一歩:「俺だろ?」と素直に言えるようになりたいと感じたこと